三井健太のWEBマンション講座

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NO.76 誇大でもウソでもない
マンション広告の怪しさ

不動産広告には、「宅地建物取引業法」や「不当景品類及び不動産の表示に関する公正競争規約」

といった法的な規制があります。
これらの中で、広告には重要ないくつかの項目を

表示しなければならないことが定められています。

また、広告の表現に関し、買い手を誤認させる言葉の使用を禁じています。

 

誤認させる言葉で有名なのは、「最高の物件」や「抜群の環境」といった

曖昧で根拠の薄い表現の禁止、時間距離の表示では
80メートルを1分として

換算することなどの規制が挙げられます。

 

広告を掲出するメディア主体(新聞社など)と、不動産業界の自主監視団体である

公正取引協議会が広告を常時チェックしており、不当な広告を排除しています。

ところが、規制の網をかいくぐる表示、表現がかなりはびこっているのも事実です。

誤認しやすいマンション広告のきわどさに注目してみました。

 

返済例の金額は最も安い値を表示してある

よく「3LDKが毎月6万円台のご返済。お家賃と比較してください」

といった広告表示を見かけます。

これは、「家賃よりやすいでしょ。だから買った方がトクなのですよ」と言いたいわけです。

「家賃並み」や「家賃より安い」といった表現が規制に抵触する危険があるため、

「家賃と比べてみて」としたのですね。

 

ここの注目点は、実はそこでなく 「6万円」 の方です。

この数字を表示する以上、根拠を併せて表示しなければならないことになっています。

そこで、借入金額、返済期間、融資金融機関名、返済方法(元利均等返済など)、

種別(固定型か変動型か)、金利などを明示します。

 

これに違反する広告はまず見かけません。しかし、問題は種別と金利の表示にあります。

ご承知のように、住宅ローンのタイプ (種別) には「固定金利型」と「変動金利型」、

中間の「固定期間選択型」があります。

フラット35という名称のローンは借入全期間が固定になっています。

一方、変動型の銀行ローンは半年ごとに金利を見直すものです。

そして変動型の方が固定型より低いのが常です。

 

広告に使うのは、低い方です。その方が負担の軽さを訴求できるからですね。

これには違法性が全くありません。しかし、その程度で家が買えるのかと、

関心を持つ人を呼び込む効果を発揮します。

変動リスクを知るのは、モデルルームを訪問してからです。

知らないままの人も少なくないのです。

 

その表示に釣られてモデルルームに行ったら、固定金利だったらいくらになるのか、

10年固定や5年固定だったらどうか、この点をしっかり確認することが必要です。

 

最低価格の意味

「2LDK2890万円から、3LDK3200万円から」 といった広告を

ご覧になったことがあると思いますが、この表現意図は言うまでもないですが、

安さの訴求にあります。

これも違法性はないのですが、最も条件の悪い住戸の極端な低価格を用いて

表示している場合があります。

モデルルームに行って初めて、同じ面積でも欲しい部屋は数百万円も高いことに

気付かされるというわけです。

 

この種の表示を見たら、実際はもっと高いと思った方が、落胆がなくていいですね。

 

何か月も前から販売中でも「新発売」の表示

「1期2次・新発売」 や 「第3期3次・新発売」 といった売り方・広告表示に、

ある種の違和感を持つ人は少なくないと思います。

 

第〇期という売り方は、マンション業界にすっかり定着した感がありますが、

「分割販売(分割分譲)」 とか 「期分け販売」 と言い、小出しに売る方法です。

 

「新発売」 の文字には新鮮さを感じる買い手心理がありますから、

興味を持って中身を覗こうとします。そこを売り手は狙っているのですが、

発売済みの物件では、いつまでも 「新」 を使えません。

そこで、分割にすることで最後まで 「新発売」 と謳っているというわけです。

 

それだけが狙いではありません。分割販売方式には、

まだまだ業者の意図するものがあります。

その中で、最も大きなものは 「売れ残り感の払拭」 です。

例えば、100戸売り出して50戸しか売れなかったら、

残りの
50戸は「再募集」ということになります。

つまり、 「売れ残ったので再度受け付けることにしました」 というわけです。

これはイメージダウンになるので避けたいという売り手心理があります。

そこで、広告では 「先着順受付中」 や 「〇月○日から〇日まで再登録受付中」

などとするのですが、分割販売には、これと同じ売り手心理が働いています。

 

売れ残りは、売り手を恐れさせます。平たく言えば、値引き要求の恐怖です。

担当販売員は、好調な売れ行きのときは自信たっぷりの、

強気と言ってよいような接客姿勢を見せますが、売れ残り物件の烙印を押されると

買い手のネガティブな反応に押されて弱気になったり勧められなくなったりするのです。

それが売れ行きのスピードをますます鈍化させ、長期戦を強いられてしまいます。

 

営業マンも人の子、顧客から「良い物件を世話してくれて有り難う」と言われたいのです。

反対の
「高いね」 「日当たりが悪いね」 などの批判的な言葉は

聞きたくないのが本音です。

 

何より、売り手企業の恐れるところは、いつまでも完売しないことであり、

値引き販売に追い込まれることです。

 

だからこそ、売れ行きの悪さを買い手に知られたくないのです。

ゆえに
「新発売」 を常に言いたいわけですし、「来月の売り出し(登録受付)です」

と言ってもったいぶるのです。

また、今のうちに「ご要望住戸を決めておいていただいたら抽選なしで

ご購入いただけるように努力しますよ」などと購買意欲を掻き立てようとします。

実際は、抽選になるほどの高い人気でなくても、「抽選になるほど人気があるのか」と

客を錯覚させることができます。

これも「新発売」効果と言えます。

 

販売戸数「未定」の疑惑

分割販売方式を採っている物件は、受付開始日を公表していない、

若しくは
「〇月中旬予定」 といった売り出し時期が曖昧な広告が繰り返されます。

この時期未定段階での広告を見ると、必ず販売戸数も未定になっています。

これは、モデルルーム来場者の中で買ってくれそうな有力顧客が10人集まったら

該当住戸を
10戸売り出そうという思惑によるものです。

 

物件の総戸数、在庫の戸数などから、次期登録では20戸を完売させたい

というような目標があるとします。

ところが、見通しでは
10戸しか売れそうもない場合、20戸売り出せば

10戸の売れ残りができてしまいます。

そこで予定日ギリギリまで待ってから受付戸数、すなわち発売戸数を決めようとしているのです。

 

販売(受付)開始が、当初〇月上旬とあったはずなのに、翌月に延期になり、

さらに翌々月に延期されるというケースも見られますが、

これなどは買い手の集まりが悪い何よりの証拠なのです。

 

さすがに数か月も延ばすわけにはいかないということから発売に踏み切りますが、

そのときは当初計画の戸数を大幅に削ることにするのです。

 

ついでに言えば、そのとき価格も変えている可能性があります。

販売当初の一定期間は、顧客の反応を見ながら住戸ごとの価格調整、

すなわち値引きではなく価格のメリハリを決めるテスト販売

という位置付けでもあるので、価格は決まっていないのですが、

2期(2次)以降は全住戸が内定しています。しかし、公表はしません。

 

その後の売れ行きが不調で値下げする必要に迫られたとき、

全戸の価格表を公開していると値引きしにくくなるからです。

その理由は、既に契約してくれた顧客の心情的な抵抗、

中にはクレーマーも現われることが怖いからです。

 

できたら先行契約者には分からないように、こっそり値引きして売りたいのです。

そうかと言って、価格未定では検討客の見込み度を判定できませんから

「決定ではありませんが」 と前置きして一部の戸数に限定して金額を提示します。

しかも、その価格表はけっして渡してくれません。空欄のままの表をくれて、

手書きして帰れなどと言うのです。

 

無論、値上げしたいという場合も公表しないでおけば変更が可能になるというわけです。

市況の良い時期には稀にそうする売主もあります。

価格が全住戸に記載された表(絶対くれませんが) を見ると、非常にアンバランス、

例えば同じ面積なのに下層階と高層階が同じ価格であったりするのです。

 

➄デフォルメした完成予想図のまやかし

マンション広告の曖昧さのひとつに、完成予想図の誇張が挙げられます。

絵画や彫刻の世界では仏語のデフォルメという言葉を用いて、

意図的かそうでないかを問わず、変形したものが堂々とまかり通っていますが、

マンションの完成予想図の場合も、断り書きを添えれば変形図が許されています。

 

売り手の狙いは、小さなものを大きく見せたいとか、

平凡なものを特別なものに感じ取ってもらいたい、

一般的なレベルを高級なレベルに見てもらえたら、

といったところにあります。

 

これらの行為には、違法性がありません。

世の中では、不動産以外のあらゆる個人向け商品が、同じような意図で展示されたり、

表現されたりしています。しかし、それらの表現はイメージ戦略であって、

顧客誘導の表現手法です。

 

購買に至る過程では、詳しい効能に関する説明を受け、

また、実物を手に取って確認することができます。

また、イメージや聞いた話と実際に使用した価値との差は

購買後にしか分からないものもあるのは確かですが、期待通りでなかったら、

次は買わないでおけばいいと割り切ることも可能です。

 

しかし、金額の高い不動産では、返品もできないし、次は買わなければいいなどと

割り切ることもできません。

 

然るに、完成予想図で錯覚した豪華エントランスが、竣工後に見たら

とても陳腐だったというのでは得心がいきません。

 

➅美点・長所の大げさな表現

例を挙げるとキリがないので、具体的な紹介は割愛しますが、たいしたことでもない特徴や、

当たり前のことを、さも大そうに誇張したコピーは

マンション広告の至るところに散りばめられています。

 

それらは、当たり前のことでも凄いことに感じてもらいたい、普通のことでも優良なものであって、

それゆえにこの物件は安いと認識してくれたらいいと、売り手は考えているのです。

 

それ自体には何ら違法性もなく、経済活動の中では普通のことです。

しかし、不動産は金額が大きいだけに、錯覚や誤認が取り返しの利かない買い物

になる危険があるということを肝に銘じておかなければなりません。

 



 

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