三井健太のWEBマンション講座

適正な管理費・修繕積立金はどのくらい?


【管理費と修繕積立金は安ければ良いわけではない

東京の場合、マンションの管理費の平均は、専有面積1u当たり@200円、

70
uなら14,000円です。

建物の規模によって差があり、
50戸未満の小型はやや高くて@250円、

100200戸台は@200円、300戸以上の大型は高くて@230円というデータがあります。

この差は、管理内容の違いが反映されたものです。大型マンションは、

近年コンシェルジュサービスやら、
24時間有人管理といった、管理サービスの内容を

競う傾向が強まって高くなっています。

一方、小型マンションは、どうしても割高になるようで、特に管理人の人件費が高く

つくことが影響しています。
100戸程度のマンションでも、30戸のマンションでも

管理人は一人です。仮に管理人の平均月収を
30万円としたら、

100戸のマンションでは1世帯あたり3千円の負担ですみますが、

30戸のマンションでは、7,000円も多い1万円の負担となってしまうからです。

 

買い手の負担が大きいと売りにくいから、管理費を安くしようと

販売サイドは考えます。

結果として、管理人を置かない巡回式にしたり、置いても週に2日だけ

であったりの、手抜き管理で出発することになります。

この傾向は、小型のマンションほど高まります。

 

マンションの管理の良し悪しを測るのは、管理人が常駐していればよいという

単純なものではないのですが、少なくとも管理人が毎日目を光らせておくことは

必須条件なのです。

管理費が比較的低く設定できる中規模マンションでも、分譲価格の安さを

「売り」にして企画したと考えられる物件では、

管理費も意図的に抑えているケースがあります。

こうしたマンションも要注意です。

 

決断する前に、「管理業務仕様書」を見せてもらうか、

少なくとも管理人の勤務体制だけは確認しましょう。

そして、常駐(日勤)しないマンションは、

できたら購入を避けたほうが無難と覚えておきましょう。

 

一方、修繕積立金はどのくらいが適正なのでしょうか。

国土交通省の平成20年度マンション総合調査では戸当たりの管理費平均額は15,848円、

同修繕積立金平均額は
11,877円という実態があります。しかし、後述しますが、

これでは足りないことが分かって来ました。

 

【管理状態が悪いマンションの末路

管理人の目が光っていない上に、修繕費も少なく、そのために適切な修繕が

行われないマンションはどうなってしまうのでしょうか?

例えば屋上の防水工事は15年に1回の割合で周期的に修繕する必要があるのですが、

それをしなければ漏水して各居室に湿気がこもります。

外壁のクラック(ひび割れ)も同様。

また、排水管にコレステロールが溜まり、流れが悪くなるという現象も。

こうした結果を招けば、日常生活において不便を感じる、不快感が募る、

従ってストレスが溜まるということになるでしょう。

管理組合では、修繕費の臨時徴収などが議論されます。

しかし、一時金の支払いができない

所有者もあって、さっぱり修繕が実施されないまま、時が経過するとします。

すると、ますます居住性が悪化します。やがて、らちが開かないと見た入居者は、

売却して転居する道を選択します。

マンションは一段と老朽化が進行し、売却も困難になって行きます。

仕方なく賃貸に回して転居する所有者も現われます。大規模修繕推進派は減り、

賃貸マンション化したマンションの修繕に関する意識は更に低下して行きます。

 

こうして、満身創痍の老朽マンションとして、さらに寿命は短くなってしまいます。

しかし、既に半数以上の所有者が転居しており、建て替えの声すら上がりません。

こうなると、完全にスラムです。

【修繕積立基金 = 一時金

毎月のランニングコストが大きいと購入しづらくなる買い手に配慮し、

入居時に「修繕積立基金」という名の一時金を取るケースが普通になっています。

20万円とか、50万円といった額です。これによって不足を補うわけです。

こちらの方が、買い手の抵抗は小さいという売り手の経験則があるための手法です。

買い手は、登記料など諸経費を予定しているので、

そこが少し膨らむ程度という印象なのでしょう。

 

基金は建物完成時の1回限りでしょうか。実は、2回目、3回目と大規模修繕の手前で

「修繕積立一時金」徴収の予定が組みこまれている物件もあるのです。

購入前に説明を求めて確認を取ることが必要です。

というのも、一時金徴収は、現実問題として困難な場合があるからです。

費用が足りなければ、重要な修繕が適切な時期にできないことになりかねないからです。

それは、すなわち資産価値を目減りさせる問題なのです。

 

【修繕積立金はどのくらい必要か?

管理費や修繕積立金が安いほどトクした気分になりそうですが、実は、どちらも

マンションの維持には欠かせない重要な費用。安ければいいというのは勘違いなのです。

安ければいいというのは大きな勘違いです。

たとえば、管理費が安いと植栽の管理が不十分になるとか、

セキュリティ面が心配になることも。

修繕積立金も同様で、適切な時期に必要な修繕が行われないとか、

大規模修繕の際に費用が足りないといった問題に発展します。

一時金が臨時徴収されることだって考えられるのです。

 

3050年先までの長期修繕計画は、今では大抵のマンションに販売時点で既に

用意されています。エレベーターは何年で取り替えるのか、屋上の防水加工は何年周期か

といったことが、こと細かく計画されているのが普通です。

そして、その費用がいくら位か、それを賄うための積み立て計画も。

積立額は、途中で増額する計画になっているものが殆んどですが、

どのくらい上がるのかをよく見ておくことが必要です。

 

ちなみに、これは東京都内の某マンションの1住戸(約62.2u)における長期修繕計画に

基づいて設定された修繕積立金の値上げスケジュール及びその金額です。

修繕積立基金

入居時に一括払い

金額326,100

4年の修繕積立金

月額4,920

4年合計236,160

59年の修繕積立金

月額10,270

5年合計616,200

1016年の修繕積立金

月額15,410

7年合計1,294,440

1730年の修繕積立金

月額20,550

14年合計3,452,400

30年間の合計積立額

 

5,925,300

30年間の平均月額

AVG.13,716

 

(参考:管理費は)

月額15,770

1u当たり@253.5円)

 

 

30年間の平均額13,716円を専有面積62.2uで除すると、1u当たり@220円となりますが、

これは、国土交通省(※)が平成
23418日に示した適正な修繕積立金の目安額

である
200円をやや上回る数値となっています。

(※詳細はwww.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/mansei/tsumitate2304.pdf

 

平均的な物件とも言える都内のマンションですが、この例では、

30年間の平均では毎月の管理費との合計で29,000円もかかる計算になりますし、

10年目からは管理費とほぼ同額の修繕積立金との合計で30,000円を超える

計画になっています。

 

長期修繕計画は、多くの場合、販売時に既に完成しており、その計画に基づいて

修繕積立金の額が決められ、販売時に価格表などと共に明示されます。

上記の数字も販売時に公表されたものです。問題は、その金額が適正かどうかにあります。

 

金額の安い方が販売しやすいという理由で無理矢理低く設定している場合がありますが、

修繕費は安くてはいけないのです。標準的な金額は、戸数規模によって

違いがありますので、購入時点で販売担当者に質問して下さい。

そこで、売主の姿勢が判断できます。

まともに答えられない売主は疑問です。

因みに、1戸当たりの修繕積立金の額は、70戸・9階建て・新築マンションの場合で、

月額
13,585円とされます。これは、ンションの維持・管理のため、「何を」

「どのような点に」留意すべきか、標準的な指針を示すため、

平成
1712月に国土交通省において策定された

「マンション管理標準指針」
に示された数字です。

実際は、スタート時にもう少し低く抑え、段階的に値上げして行く形の

マンションが多いのですが、それでも分譲開始時には
1戸当たり10,000円程度に

設定することが多いようです。

これを大幅に下回るような場合は、その理由を問い質すことが大切です。

 

 

【管理準備金とは?

管理準備金については、管理組合設立直後に一時的に必要となるマンション共用部の

火災保険料、管理用備品の購入に使われるものと説明され、

大体は管理費の1カ月分を納める例が多いようです。

昔はそんなものはなかったのですが、どうしてこんな慣習ができて

しまったのでしょうか。

建物完成当初は全住戸に入居者が決まっていない、つまり売れ残っている場合、

管理費収入が不足することになります。そのときは、売主が差額を

負担せざるを得ないことになります。

「管理準備金」という、もっともらしい名目の集金は、

実はその負担を軽減することができるというメリットにつながっています。

 

きっと、業界の誰かが考え出したのでしょう。

そして、それが業界全体に広まったものと推測されます。


 
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