三井健太のWEBマンション講座

 地震に強いマンションの見分け方

●マンション建築と地盤

マンションを建てる場所はさまざまです。地域全体が岩盤のような固い場所の多い地方もあれば、

関東地方のように、ローム層と言われる柔らかい地盤でできている地域もあります。ミクロ的には、

杭が要らないほど固い地盤の場所がある一方、河川の流域や埋め立て地など、

5メートルも掘ればすぐに水が出て来るような柔らかい場所があります。

地盤の柔らかい場所、特にベイエリアと呼ばれる海沿いで建設されるマンションは、

地震のときに大丈夫なのでしょうか?


通常、支持層と呼ばれる固い地盤が地表近くにあれば、建物の基礎をその上に

乗せるだけになります。

反対に、地盤が軟弱な場所では、地中深く、支持層に届くまで杭を打ち込んで

基礎を下から支えるように設計します。東京湾岸などは、杭の長さが


50
メートル以上もあるマンションが普通です。

支持層に至る途中の地盤が特に柔らかい埋め立て地の場合などは、

液状化の心配がある場合には、セメントで土を固めるなどの「地盤改良」を実施することもあります。

マンションと液状化現象」こちらclick

地盤の硬軟によって基礎部分の設計が変わってくることになります。

よく、「杭が長いから大丈夫です」などと説明する営業マンもいますが、

長くないと危ないから長いだけで、より安全を求めて長く打ちこんであるわけではないのです。

ともあれ、現在のマンションは震度6強の地震が来ても倒壊も破壊もしない

設計基準で建てることが義務付けられています。


●マンションの耐震性と揺れ対策

マンションの構造には、一般型の「耐震構造」と、建物内に設置した制振装置を用いて

揺れを減衰させる「制振構造」、及び、基礎部分に設置した免震装置で揺れが

伝わらないようにした「免震構造」の
3種類があります。

「制振構造」と「免震構造」は、「耐震構造」に比べて揺れを小さくすることもできる優れもの

と言われ、最近のいわゆるタワーマンションには殆んど採用されています。

しかし、東北・太平洋地震のような大きな地震に見舞われれば、

揺れの大きさは、どの構造でも相当なものです。


むしろ、室内の大型家電や家具が転倒して押し倒されたり、硝子が割れて
破片で切ったりという怪我の方が恐いのです。

慌てて外に飛び出して、飛んで来た物やクルマに当たったり、転んで

怪我をしてしまったりする危険の方が大きいかもしれません。


●柱と壁の鉄筋の組み方

阪神大震災のとき、転倒はしなくても、壁や柱に亀裂(クラック)が入った状態の一部損壊や

半壊といった被害を受けるマンションが見られました。


こうした被害を少なくするために、阪神事前から、様々な研究が続けられてきましたが、

コンクリート内部の鉄筋の組み方も、そのひとつです。


先ず、柱の鉄筋ですが、帯筋(おびきん)という縦方向の鉄筋に帯のように巻きつけ

鉄筋を、より丈夫にする工夫がなされています。

帯を巻いたらフック状にして引っかけるだけだった従来型から、溶接して留める「溶接閉鎖型」や、

らせん状に巻いて行く繋ぎ目のない「スパイラルフープ型」という組み方です。


次に壁ですが、「ダブル配筋」という、壁の中の鉄筋を2列に並べてからコンクリートを打設します。
「シングル配筋」よりは、当然強い建物となります。


●コンクリートの耐久性

マンションを丈夫で長持ちさせるには、二つの方法があります。

鉄筋とコンクリート表面との距離、すなわち「かぶり厚」が厚いほど水と酸素がコンクリート内部に

浸透しにくく、鉄筋の腐食を起こさないため、耐久性が高まります。


実は、鉄筋が錆びると膨張してコンクリートを破壊するのです。

そうなれば、当然、その柱や壁はぼろぼろと崩れ落ちる状態になりますから、

構造的にも脆いものに変質することになります。かぶり厚は、通常3〜7
cm必要と言われています。

心配な人は、現地で尋ねてみるといいですね。

コンクリートの耐久性に関し、マンションの性能表示制度では、「劣化対策等級」という指標で表し、

最強レベルの3が「おおむね
7590年まで、大規模な改修工事を必要としない

対策が講じられたもの」とし、

等級2は「おおむね
50〜60年まで」、等級1は「建築基準法に定める対策が講じられている」

と基準を定めています。


この基準は、コンクリートの強度を示すニュートン(どれくらいの荷重がかかっても大丈夫かという指標)

と、上記の「かぶり厚」、そして「水とセメントの比率」によって区分されます。

これまでのマンションは、一般的に、2127N/mm2(ニュートン/mm2)程度のもの

が多かったのですが、最近では、
30N/mm2という硬いコンクリートを使ったものも

多く見られるようになりました。これを「
100年コンクリート」と表現しているところもあります。

パンフレットに書かれているコンクリート強度が「30N/mm2」になっているとしましょう。

単位を変えてわかりやすくすると、
1uの広さに、およそ3,000トンの重さが

かかっても耐えられる固さです。

「水セメント比」は、水が少ない方がよいのですが、等級3の場合では、50%程度とされます。

多くのマンションは「劣化対策等級」が最低レベルの1で、

それで問題ないとされていますが、稀にレベル2、3のマンションも見かけます。


●住宅性能評価と耐震等級13について

マンションの性能を客観的に評価するのが、「住宅性能表示制度」です。

予め国土交通省に登録された「住宅性能評価機関」という第三者機関(後述)が、

マンションごとに地震に対する強度を評価し、3段階の表示を行ないます。


建築基準法で定められた基準に相当するのが等級1で、

「数百年に一度発生する震度6強〜7程度の地震に対して倒壊・破壊せず、

数十年に一度の震度5強程度では損傷しない強さを有するもの」を指します。


等級2は、等級1の1.25。等級3は、等級1の1.5倍の地震力に対抗できるものを指しています。

因みに、等級2の建物は、地震のときなどに避難所となる学校や病院など、

公共建築物で採用されている強さです。


現在販売されているマンションの大半が等級1で、稀に等級2も見られます。


●地震発生時のエレベーター

ご承知のように、地震が来ると作動中のエレベーターは止まってしまいます。

ただし、大抵のマンションは、停電になっても予備電源によって最寄りの階に着床しますから、

閉じ込められることはまずありません。

問題は高層階の居住者です。エレベーターが動かないと徒歩で階段を伝って

移動しなければならないからです。地震が収まり、停電になっていなければ、

やがて動き出しますが、長い時間停電が続くと不便ということになりますね。


●地震でゆがんでも開く玄関ドア

地震の直後は、慌てずに室内に居た方が安全と言われるマンションですが

(但し、家具等の転倒防止を施しているものとして)、いつまでも室内に閉じこもっている

わけにはいきません。しかし、玄関ドアが歪んでしまい、押しても開かないという事態が考えられます。


そのようなことがないよう、最近のマンションは「耐震ドア」と言って、

はじめから玄関の枠よりも小さな(つまり、すき間がある)ドアで、かつ変形するように作られています。

このため、多少の歪みなら、ちょっと力を入れて押せば開くのです。


●食器が飛び出さない扉

キッチンの吊り戸棚が地震で開いたら、中身が飛び出して危険です。最近の新築マンションは、
おそらく全てで「耐震ラッチ」という飛び出さない仕掛けが付いているはずです。


●マンション全体での被災時における備え

大型マンションに限られるものの、今や常識化しているのが水や食料、医薬品、簡易トイレなど

の備蓄や、それらを格納する「備蓄倉庫」を最初から設計に取り入れていることです。

河川が近くにあるマンションでは、飲み水を作る「非常用飲料水生成システム」や、

停電に備えて夜間でも点灯できる蓄電式の「ソーラーライト」を設置しているマンションも登場しています。

また、外で煮炊きできるカマドを敷地内公園のベンチ下に設けたり、

バーベキューコーナーを転用したりといった工夫も見られます。


●施工チェックの義務付け

設計上どんなに立派なマンションでも、施工に手抜きがあっては危険です。

そのためには、第三者のチェックが重要です。

そこで、法律はチェック機関に定期的な検査をさせるように義務づけています。

チェック機関は、「指定確認検査機関」と呼びますが、この機関は、2005年に発覚した

「耐震偽装事件」以来、検査機関の資格審査自体が厳しくなったほか、

建築確認申請時点でのチェックに関しても厳しくなりました。

現在では、いわゆる手抜き検査や業者との癒着なども起こりにくい状態が作られたと信じます。

ただ、検査は現場に付きっきりで行なうわけではありませんし、頻度もさほど多くないので、

悪意があれば手抜きはいくらでも可能です。


この事件以前からの第三者検査としては、設計事務所による「工事監理」があります。

監理は監督と管理の意味で、建て主(マンション事業主)側の立場で、

工事会社に対して”もの言う”立場にあります。工事の進行過程で何度も現地に足を運び、

細部の打合せをしつつ、監理をするのです。

但し、設計監理をゼネコンが兼ねている場合もあります。

この場合は、第三者の目が届かないことになります。

このケース、普通は大手ゼネコンなので、信用ができるとされています。


●任意の施工チェック「建設住宅性能評価」●

義務付けられた施工チェック以外には、住宅性能表示制度の一環で、

設計内容の評価(住宅性能評価という)がありますが、

そのほかに建設中の建物を検査する「建設住宅性能評価」が行なわれています。

こちらは、あくまで任意ですが、購入者に代わって専門家が工事状況を見に行くもの

と考えてよいでしょう。工事中及び完成時に4回以上行くのが通例で、

終了したら「建設住宅性能評価書」を発行します。


専門家は、予め国土交通省に登録された「住宅性能評価機関」に所属しています。

主な評価機関には、(財)ベターリビング(財)日本建築センター日本ERI(株)

(株)住宅性能評価センター(株)日本住宅保証検査機構といったところがあり、

現在全国に
100社・団体が存在します。

これらの機関は、前述の「指定確認検査機関」を兼ねているのが普通です。

 
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