三井健太のWEBマンション講座

 マンションと液状化現象
 

2011311日の東北・太平洋地震で、東京ディズニーランドの駐車場が液状化して

使用が不可能となったとニュースに出ていました。

東京湾岸エリアは、ほとんど全部が埋立地ですから、どこも液状化が起こったはずです。

単に目立って見える状態になったか、そうでないかという違いなのでしょう。

液状化現象とは、砂浜に遊びで作った小さな山が、押し寄せた波によって崩れて行く様子

を想像してみて下さい。要するに、土や砂の粒子が互いの摩擦によって形をなしていた

ものが、間に水が入ることで摩擦が消失して形が崩れる現象を指すのです。


ディズニーランドのある浦安市の住宅地では、地面が歪み、水道やガスが使えなく

なった地域があります。地中から泥状の砂が大量に噴き出し、地面は波打ったように隆起し、

電柱は今にも倒れんばかりに傾いている写真が新聞で紹介されていました。

液状化で、水道管やガス管の繋ぎ目がはずれたのでしょう。ライフラインが寸断されれば、

マンションなど住宅は、たとえ建物が無事でも生活ができなくなる恐れがあります。

ベイエリアのマンションは、砂で固めた程度の柔らかい地中を突き抜けて

固い支持地盤に届くまで

50メートルくらいの長さの杭(支持杭)を打ち、

その上に建物が乗っかっているイメージでできています。

杭を横から支えているのが砂のような土です。その土が液状化してしまうと、

杭は極めて不安定な状態になってしまいます。

仮に、杭を取り囲んでいた砂・土がなくなってしまったら

マンションは空中の楼閣みたいなものです。

杭の先端部分を固い土がしっかりつかまえているとしても、

横から押されたら倒れてしまいそうです。

このような不安は、専門家にもあるのです。しかし、実際はどうかと言うと、

阪神大震災のときの、神戸の埋め立て地、「六甲アイランド」や「ポートアイランド」の

マンションは全部無事だったのです。液状化は起きたのですが、

それでも、大きな被害はありませんでした。

液状化現象が起こる恐れのある地盤の場合、建物自体は「支持杭」で

しっかり支えられているほか、地盤改良をすることもありますし、基礎杭に鉄管を巻いて、

横からの力で杭が曲がったり折れたりしないような対策も講じられている場合もあります。

タワーマンションは、大手ゼネコンが最先端の技術を駆使しているケースが多く、

信頼性は高いと言えます。

ただ、周辺の地盤が液状化、沈下して外出が困難になったり、

ライフライン(水道とか、ガスとか)の接続が切れて、しばらくは住めなくなってしまう、

ということは考えられます。

液状化が心配な人は、ベイエリアには住まない方がいいでしょう。

できるだけ地盤の固いエリアを、

すなわち、必ずしもイコールではありませんが、杭の長さの短いマンションを

選ぶ方が良いと言えそうですね。

関東平野では少ないのですが、地域によってはマンションの下がすぐ

岩盤になっているといった例もあります。




液状化で被害が如実に表れる場所は、駐車場などの共用部分です。地割れが起き、

一部で陥没が起きたりする例が少なくはありません。

機械式駐車場の地下部分がコンクリートの割れ間から海水が噴き出しで浸水した例も。

これらの補修費が修繕積立金の取り崩しになることがあります。多額に上らなければ

幸いなのですが。


建物は無事でも、ライフラインが破壊されてしまっては住めなくなります。

今後は、液状化が懸念されるエリアのマンションは敬遠する人が増えることに

なるかもしれません。
(2011年5月20日記)

 

<液状化による被害をまとめてみると>

液状化現象とは、具体的には、地下水が地上に噴き出し、地盤が沈下し、

 基礎が地表近くにある一戸建てなども沈下します。沈下の度合いが場所により異なると

 (不等沈下または不同沈下という)、建物自体や,床や柱などが傾いたりします。

深い場所にある硬い地盤に支持されているマンションでは、建物の沈下がないため、

 外部の道路や下水管などと高さの差が生じたり、出入口付近に段差が生じたりします。

また、テレビでご覧になった人も多いと思いますが、地下にある建造物で内部空間の大きい

 マンホール・下水管・浄化槽などは、体積に比べて軽いため、地下水圧が高くなって

 浮き上がってしまうのです。

護岸や道路が蛇行したり、傾斜したり、また浮きあがりを引き起こすこともあります。

 <杭が長いマンションは要注意>

ところで、地盤の弱い埋め立て地域は、地中の硬い地盤(支持層)は、

 50メートルくらい深い所にあります。マンションを支える杭は、この支持層に達するまで

 深く打ち込まれます。このため、建物は倒壊するまでに至らないわけです。

しかし、逆に言えば杭の長いマンションは、弱い地盤の上に立っていることを

 示しています。支持層までの途中の土壌がどのような性質か、例えば砂か泥かなどによって

 透水性が異なるため、液状化の危険度も違ってきますので、

地盤が緩い=液状化懸念が大きい とはなりませんが、

杭が何十メートルもある場合、支持層までの途中の土質によっては

 液状化が起こる懸念のあるマンションと言えるのです。

 <河川が近いと危険が?>

液状化が起こりやすい地域は、湾岸エリアばかりではありません。大きな河川が近くを

 通っていれば、その周辺は緩い地盤であることが多いのです。

一般に液状化しやすい地形として、自然地形では@湾岸、A三角州、B河口、

 C砂丘間凹地、D旧河道、E河川沿い、F谷底平野などですが、

 人工地盤では、@埋立地、A沼・湿地・水田・谷の盛土地などが挙げられます。

このような場所では、杭が長いマンションが多く、地下数十メートルの堅固な支持層まで

 打ち込まれています。

具体的な地名をここで述べるのは憚(はばか)れますが、川や谷が付く町は要注意

 ということになります。もちろん、誤解をしないで頂きたいのは、杭が長いマンションは

 みな危険ということではありません。

 

<浦安市に被害が集中したわけは?>


3.11大地震では浦安市だけに被害が集中し、東京ベイエリアでは殆んど被害と言えるような

被害は発生しませんでした。その差はどこにあったのか、なぜ浦安市だけなのか、

また、同じ浦安市内でも被害の大きかった地区と殆んど被害がなかった地区があるのか。

それらの理由が3.11以後、しばらくの間は、全く説明されずに来たため、

ベイエリアはどこも危ないという思いに囚われた人が多かったようです。

 

しかし、1か月を越すと、次第に専門家から液状化の被害の差に関して

説明が見られるようになりました。

それによると、埋め立てした時期によって埋め立て方法が違っているためと分かりました。

1964
年の新潟地震をきっかけに法改正が行なわれた1978年を境に、

地盤改良が実施された場所とそうでない場所があるのだそうです。

つまり、今から23年以前の比較的新しい埋め立て地は大丈夫で、

それ以前は液状化が起きやすいと言います。

東京は江戸時代まで遡ると、至るところ埋め立て地ですから、矛盾する説明ではないか

ということになりますが、それはまた別で、長い間に地下構造が変化している場所は

安全と専門家は説明しています。

浦安市でも、1960年代以前の埋め立て地に被害が少なく、それ以降、法改正までの間に

埋め立てられた地区で被害が大きかったとされます。

 

このようなことから、一律に「埋め立て地=液状化危険地域」と考えるのは間違い

だと分かって来たのです。

従って、物件ごと、このマンションが立つ場所は液状化が起きやすいかどうか

という調査が買い手には必要になって来ます。

その方法は、例えば東京なら「東京都液状化予想図」という地図で確認ができるように

なっていますから、確かめるといいでしょう。

それによれば、危険度が3段階で色分けされており、〇〇町の1丁目と2丁目では色が違う

ということまで分かります。もちろん、都庁に出かけなくても、

インターネットで見ることができるのです。

また、「東京都の年代別埋め立て状況」で検索すると、明治・大正期まで遡って

埋め立てが行なわれた時期を知ることができるマップも出て来ます。

こうした資料を参考にしたら、町の土地・地盤の歴史を知ることができるでしょう。

 

<土質や硬さを聞いてみよう>

マンションを設計する際、必ず事前に地盤調査という作業を行ないます。

大別すれば、粘土質地盤、砂質地盤、礫層の順に硬くなっていきますが、

サンプリングした調査データを図表化した資料(N値グラフ)が

販売事務所には置いてありますから、見せてもらいながら説明を受けるといいですね。

軟弱地盤が地下何メートルまで続き、硬い地盤が何メートルから始まっているかが

一目で分かるように、グラフ化されています。また、そこには土質も書き込まれています。

一般にN値が20以下の緩い砂層が液状化しやすく、

粗い砂礫や粘土からなる地盤は液状化の可能性は低いとされています。

 

<液状化危険度マップや古地図も確認しておこう>

自治体にもよりますが、液状化の危険があるとされる地域では、大抵マップを作っています。

過去の液状化履歴が分かるようになっている自治体もありますから、

各自治体のホームページで確認してみましょう。

また、大昔その土地が何であったか、田んぼだった、沼地だった、湿地だった

というようなことは、古地図を見るとおおよそ分かりますが、

こちらは一戸建てを購入する人、保有している人には不可欠な調査

になったようです。

図書館に所蔵されている地図で一度はチェックしておきたいものです。

蛇足ですが、3.11以来、図書館を訪ねる人が増えているのだとか。

  

 



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